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水球ゴールキーパーコーチがいない中学生、高校生ゴールキーパーのための成長支援ガイド(3)―シュートマネジメント(GK)・失点リスクの最小化に向けた一連の判断と行動 ―

ここまで、ゴールキーパーコーチがいない中学生、高校生ゴールキーパーのための成長支援ガイド—-シュートストップ編として

第1回:シュートストップ編(導入)(リンク)

第2回:シュートストップ編(基本と実践)(リンク)

を紹介させていただきました。

今回は、フェーズを一段上げて、シュートマネジメント(失点リスクの最小化に向けた一連の判断と行動についての理解を深めていきます。

 ”シュートストップは文化であり、シュートストップは戦術である。”

シュートマネジメントについての理解を深めることで、ゴールキーパーの役割がより鮮明になることから紹介をします。

■ シュートマネジメント(GK)とは何か

シュートストップが「最終局面」だとすれば、その前段階には「失点リスクの最小化」の一連の判断と行動が存在します。ゴールキーパーのシュートストップは、ボールが放たれてから始まるのではありません。ボールが放たれるから勝負は始まっています。

シュートマネジメントGK)は、

相手の攻撃局面において、「失点リスクの最小化」の一連の判断と行動です。

チームディフェンスの目的が「攻撃権の奪還」であるのに対し、シュートマネジメントの目的は「失点リスクの最小化」です。シュートマネジメントは、局面で直接ボールを奪えなくても成立します。 

■ なぜ必要なのか

水球は高確率でシュートが放たれる競技です。

つまり、「止める技術」だけでは失点の確率を下げるのは困難です。

重要なのは、打たせない、または良い状態では打たせないこと。

これができれば、失点機会の減少、シュート阻止率は大きく向上します。

■ シュートマネジメントの5つの要素

打たせない

ゴールから遠ざける。

射程圏内に侵入させない。

打たせる場所を限定、誘導、選定

打たれたとしても、「想定内のシュート」にできれば失点のリスクは低下。

③ショットクロックでシュート不成立

時間を経過させ、タイムオーバーで攻撃を不成立させる。

時間を経過させ、判断を制限し、プレー精度の低下を狙う。

 ④判断を揺さぶるゴールキーパーのフェイント

判断処理(選択)に負荷をかけて、判断ミスを誘発。

さらにシュート精度を低下させる。

心理的に優位に立つ

相手のメンタルに働きかけ心理的優位に立つことで失点リスクを低下させる。

姿勢、行動、言動、隙のない集中力。

心理的優位性を保ち続けるGKの存在感は戦術です。 

■ シュートマネジメントとチームディフェンスとの違い

項目

チームディフェンス

シュートマネジメント

目的

攻撃権の奪還

失点リスクを最小化する

成立条件

ボールを奪う

奪えなくても成立

評価軸

ターンオーバー

得点期待値の低下

攻撃権の奪還と失点リスクを最小限にする一連の判断と行動は連動するものです。

■ シュートストップとの関係

シュートマネジメントは「過程を設計・管理」。

シュートストップは「最終局面の実践」。

■ 失点リスク最小化の三層構造

失点リスクを最小化するために

・チームディフェンス(奪還)

・シュートマネジメント(設計・管理)

・シュートストップ(最終局面)

が連動する。

失点リスクを最小化するには、シュートストップだけでは不十分です。

シュートマネジメントによって失点リスクを最小化し、最終局面ではシュートを止める。これがハイパフォーマンスゴールキーパーの守備能力です。

 

■ シュートマネジメントのまとめ

シュートマネジメントとは、

ボールを止める前からの失点リスクの最小化に向けた一連の判断と行動

シュートストップは、その最終局面です。

ゴールキーパーは、守備局面における「最後の砦」であり、シュートマネジメントの実践者です。

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技術協力:西村永遠(Kingfisher74/JPN🇯🇵・IREN Genova Quinto/ITA🇮🇹 )

写真提供:Kingfisher74、西村永遠

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次回:シュートマネジメント失点リスクを最小化する戦術ガイドライン

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公財)日本水泳連盟水球委員会

デベロップメント部門:ゴールキーパープロジェクト

日本代表部門:ゴールキーパー強化担当

角田壮監(KAKU SPORTS OFFICE)

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